はじめに 高忠実度増幅器の定義

はじめに

 真空菅式と言えども高忠実度増幅器と名言するからには、まず物理的高性能でなくてはなりません、昨今の真空管アンプは半導体アンプに比較して、どうしても物理特性的に相当劣るものが多い様です、その要因は1960年代末期にアンプメーカーはその増幅素子を真空管から半導体に移行されたためであります、以後真空管アンプの研究はメーカーからアマチュアの手に委ねられました、その結果真空管アンプは物理的高性能の追求よりも好みの音質追求へと大きく進路が変わってしまいました、当時としては真空管アンプであっても高性能の追求には専門の電気的知識とある程度の測定器は必要といたしました、ところがアマチュアの真空管アンプビルダーは、電気的知識が幼稚であっても製作が容易(高性能ではない)な個性派真空管アンプへと向かい現在に至っております。

 また、真空菅には半導体素子の様に、コンプリメンタリ(動作が同じで極性が逆)に相当するものが存在いたしません、したがって回路構成は半導体と比較して著しく制約を受けるのも、究極のデーター追求には弊害となっております。

 現在では真空管式による高忠実度増幅器を考える方は殆どいないでしょう、この様な時代ですがもう一度真空管式高忠実度増幅器について考えてみたいと思います。


編集趣旨

 真空管の基本的動作の詳細な解説、例えばオームの法則、真空管の電圧及び電流増幅、ロードラインによる作図と動作環境の解説、 これ等を全て記述を行いますと、内容が大百科事典の如く散漫となります。

 当サイトは趣旨は【真空管式高忠実度増幅器】であり真空菅式でありながらも、基本性能確保した上で真空菅でしか実現出来ない特徴(真空菅動作の純粋性、音の良さ)を最大限生かす事を目標といたしております、したがってターゲットを絞るという意味で、基本的な電気的動作、及び、シュミレーション等の解説は省略いたします、  また、通常では見落としがちであるが本質を突いた項目にはあえて掘り下げます、編集には極力主観は控えめとし、電気的性能や音質に関する項目は客観性を重視いたします。

 現在はインターネットの時代であります、関連する専門的な項目の習得は検索を駆使する事によりさほど困難ではございません。

 物理的な数値の追求なみならば、あえて真空菅の必要もなく、「CQ出版社」等よりシュミレーションを含む立派な書籍も公表されております、
理論の追求のみならばそちらの方をお勧めいたします。

 真空菅式による高忠実度増幅器にこだわる理由は、半導体素子とでは比較にならない程、真空菅と言う素子自身動作の純粋性にあり、その純粋性が一般数値だけでは解決出来ない秘めたる魅力(主観的ではあります)と心得ております。


真空管による高忠実度増幅器の定義について

 真空管式高忠実度増幅器とは、まず現在の半導体アンプに匹敵する物理的スペックは必要です、音は良いのだが特性は悪い、っと言った主観を優先するものは排除せなければなりません。
 高忠実度臓増幅器にとって必要に事柄は、

  1:回路設計、優秀なコンセプトに基着いた回路設計が必要。
  2:電子部品、客観的なスペックを有する優れた電子部品。
  3:存在価値のある結果、回路設計に基礎に、電子部品の集合体を構築する機構設計、総合的に美しい最終結果

 優秀な物理特性を有する回路設計には負帰還(以後NFB)は不可欠です、真空管式増幅器においてNFBの探求は1960年代末期で停滞し、以後NFBの発展は皆無のまま現在に至っております。
 真空管アンプを製作する自作派にはNFBは好まれない傾向にあります、その要因はNFBによる音の萎縮にあります、しかしそれは技術の未熟さ故の結果であり、理想的に深くかかった高負帰還は物理的特性の優秀性は勿論の事、聴感上も固有のキャラクターは極小であり、好みという主観性では到達の出来ない普遍的な客観性を持った存在であります。

 電子部品においては高NFBを採用する事を前提に考慮しておかねばなりません、周波数特性、位相特性、(互いに密接な関係にある)過度特性、等の部品単体の諸特性は極めて重要であります、特に出力トランスは既製品では古い設計思想で製作されたものが多く、高NFBを採用する場合は再開発の必要性があります。





 機構設計では回路設計を熟知し、なおかつ機械的構造設計の知識が重複した感覚が必要です、結構難しいのですが最後に形とするには欠かせない要素であります。

 以上、高忠実度増幅器の定義として上げておきます、これ等の要素を考慮して、現代考えられる高性能、
【真空管式高忠実度増幅器】は如何にあるべきか?、を考えてみます。



矛盾

 編集に当たり矛盾点があります、・・・・・・・・
本編は真空管式のオーディオの高性能化を主眼においております、したがって最終目標は真空管の最高峰を目的としておりま。 ここで大きな矛盾の壁に遭遇いたします、・・・・・・ <


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