データーと音の関係


 「データーと音の関係」、この題材は相当難しいです、Web上も検索しましたが適切なサイトは見あたりません。

 データー重視の場合は回路シュミレーションを駆使し、その動作解明には卓越していても聴覚との関係には全く触れておりません、これは致し方ない部分もあります、要するに興味が回路解析のみに集中し、人間の聴覚に関しては無頓着であるからです、かの北野進氏、武末数馬氏でさえもそのジレンマには苦慮しておりました。

 片や「美音追求型」重視の場合はデーターは殆ど無視の場合が多く、この場合はもう個人の趣向のみが目的であります。

 思うにこの部分は触れたくない、専門分野に深く精通する程データーと音の関係は避けて通る傾向にありある様です、要するにハッキリとした答えが見つからない、と言うのが本音でしょう。

 この分野を解明するには人間の聴覚の機能から考え直さなければならないかも知れません、例えば歪率1%と0.01%の音の違い等は、条件によっては判別不可能です、しかしデーターとしては明解に差異が表示されております、これでは何のためにデーターを追及したか意味がありません。

 逆に通常のデーターには引っかから無くとも明確にその差異を聴覚が感じ取れる場合もあります、この場合はそのデーターがポイントを外している場合が多々あります、例を上げれば比較的歪の多いスピーカーを介して歪量など問題にならないアンプの音質を判別する事も可能であります

 その事からも人間の聴覚とは、数値で表せない微妙な変異を感知できる高感度の領域から、極めて鈍い鈍重な部分まで感知能力は相当異なる分布が存在する模様です、言い換えれば聴覚と相関関係の希薄な項目を一生懸命測定しているのかも知れません。

 漠然と感じる事は、時間的に蓄積された物の比較は解らない、歪みたいな物は比較対象が相当大きな変化になって初めて感知出来るようです、それに比べて時間的に瞬間的な物には敏感に感じ取れます、過度的変化とか速度は人間の脳は敏感に反応します、したがってデーターは静特性よりも動特性を重視すべきでしょう。

 ここからは推論でありますが、地球誕生からこの気圧の中で人類が誕生し、生き残って行く上で五感の中の聴覚は、瞬間の変化に敏感な者が自然淘汰され残ったのかも知れません。

最終記述 2013 12/15

続く

正確(高忠実)な音の認識


 まずは、正確(高忠実)な音の定義、を明確にしなければなりません、これは以外に軽視されがちであり、また、認識を誤っている場合が多々あります、最初にこの事柄を間違えますと音響設備の構築は無駄な努力と時間を費やすこととなる訳であります。

 これはアマチュアの研究家は勿論、メーカーのプロでさえ迷い道にはまる場合があります、特にアンプ等の一分野のみの追求した場合、再生音の基準を解らないまま、一般データーの追求やら、動作解析のシュミレーション等、専門分野のみ従事し、音そのものに興味を示さない方々に見られます、それは使用しているスピーカーやら音そのものや音楽についての見解を聞くと、・・・?  いやはや驚きですらあります。  

再生音の場合、正確(高忠実)な音、とは、電気信号を忠実に空気の粗密波変換する事であります。

 言葉にすれば簡単ですが、これを実現には困難を極めます、正確(高忠実)な音が目標の場合、まず、リスナー自身が正確(高忠実)な音を知らなければなりません、これは専門的な電気知識等とは全く別の感性とセンスを必要といたします。




スピーカーの選択(過酷な動作 急発進・急停止)

 電気信号を機械運動に変換し、空気の粗密波を発生させるのがスピーカーです、空気の粗密波は電気信号と同一が理想的であります、


 再生音は電気信号をスピーカーを介して空気の粗密波へと変換するのですが
機械系のスピーカーが介入いたしますと、話は俄然ややこしくなります。

問題点は

・情報不足
 電気信号の取り残しがあり、色々な要素(周波数特性、直線性(Dレンジ))等の未消化

・情報過多
 電気信号に無い音が加味される(共鳴体、共振体、反射音、等が混合)

(これが最も問題が多いのです、好き(趣向)と高忠実度は全く別物のジャンルなのです)



バスレフとホーン


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて「如何に」表現すべきか?、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一歩間違えば、怨念を含む反感が発生!
・・・特に情報過多 (共鳴体/バスレフ)(反射音/ホーン(WE/タンノイ等を 含む))には如何に世評が名器と言われ様とも・・・・?





 音響機器の評価はなかなか難しい部分があります、それは音楽という趣向的な分野とテクノロジーが背中合わせなっているからです。

 個人の好み、趣味趣向、それと電気機械とは別全く別の分野なのです、この全く異なる分野を同じ土俵での判断は誤解が生じる要因となります、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・? (言葉を選んで?)


音だけは聴いてみなければ解らない

AXIOM-80とESL-57は似ている



  魔性のスピーカー AXIOM-80

 第二次世界大戦中、既に現役であったAXIOM-80(GOODMAN社)、高能率でまともに鳴らすのが難しいので有名だったフルレンジスピーカーであります、特徴は通常のエッジ/ダンパーが無く、振動系はベーグライトのカンチレバーで中吊りでありました。

 当時このAXIOM-80をドライブするアンプには悩まされたものであります、負帰還の処理が適切でないとてきめん醜態をさらけ出してしまいます、それ程デリケートで高感度なスピーカーでありました、負帰還の副作用の弊害に痛めつけられた方は、負帰還アンプを諦め無帰還や低帰還に甘んじた場合もよく見られました、オーディオ評論家の瀬川冬樹氏も直熱三極菅45のシングル・アンプ(出力2W未満)は有名です。

 通常の場合AXIOM-80を心地よい音色だ、と感じる人は少数派でしょう、大抵の場合拒否反応が出る場合も少なくありません、ただ、その中でも心の琴線に触れる、恐ろしい程のリアリズムを聴かせられるのです、このジレンマにAXIOM-80のオーナーになった方は一生悩み続けるでしょう。

 AXIOM-80が魔性のスピーカーと言われる大きな要因でもあります。

2016 10/21 記   





  Dレンジを考える ESL-57

 Dレンジといえば、通常レベルから最大レベルまでのスパン(幅)を考えがちであります、しかしよく考えてみますと通常レベルから最小レベルまで、それもDレンジであります、このマイナス側のDレンジは、微小音圧レベルの再現性、言い換えれば分解能〜繊細感と密接なつながりがあり、高忠実な再生音の再現には重要な項目であります。


 QUAD/ESL-57の構造はスピーカーとしてはコンデンサー型であり、動作的には絶対的な大音量は不得意です。

 しかしながら通常レベルよりも小音量の直線性には圧倒的に優れており、囁く様な音量であってもピントがボケる様な事もなく写実的であります。

 この事柄は高忠実度再生には重要な要素であります、








  時間軸を考える

 表題に、「AXIOM-80とESL-57は似ている」と表記しましたが、その構造及び動作は全く異なります、再生される音響エネルギーのバランスも異なります、通常はとても似ているとは言いがたい?、




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