この回路、かって米エレクトロボイス社のアンプに採用されたものであり、歴史的には結構古いものであます。
初めて目にした方、特に年齢的お若い方で古い真空管アンプの歴史をご存知ない方にとっては新鮮に写るみたいあります。
「トロン」等の命名は、ディズニーのアニメ、またはPC初期のコマンド、を連想し、何かありそな雰囲気満載であります。
神秘的かつ怪しげに表現された円形シンボルマーク、実態や如何に?
人間はかってあらゆる物を食してきた筈、そして主に牛と豚と鳥が残った。
色々な要因はあるものの、時間の振るいにかけ、自然と淘汰され、必要とされた?
そして、平均して美味だったのでしょう、残るだけの理由があった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
標準的なDEPP、何故残ったか?、 他と比べて美味だったか。
メリットの裏にデメリットあり、見る角度を変えれば客観的な姿が現れるものです、
この、サークルトロン サーキット、何故主流になれなかったか?、色々考えてみては如何かな?
出力管の動作はその電流変化は、モロに電源に影響を与えます、そこにはDEPP(標準のプッシュプル)の様な音声信号の打消しはありません、したがって電源部が有限の容量である以上、全ての影響を受けるコトとなります。
この回路は良い悪いに着け、電源のグレードは全て音質に反映いたします、
音質の向上には電源に物量を投入しなければ成りません、物量の世界です。
電源のグレード、それはアンプのみならず、商用電源の柱状トランス、更に
送電線、最後は発電所(水力、火力、原子力、)の質までさかのぼり、
最終的には無限大を求めます、 考えれば馬鹿馬鹿しい話ではあります。
(これはかって一世風靡したDCアンプ(差動2段+SEPP)も電源が・・・・・・)
エレクトロボイス型、別名サークルトロンと呼ばれている回路です、
この回路の解説は全てを述べますと、広範囲かつ蛇足的な長文となりますので骨格だけに止めます。
更に深く知りたい場合は、ラジオ技術誌に藤井氏が詳細に投稿されております、そちらを参照「ください。
右図はサークルトロンの回路図であります、(出力部)
太線の部分を抜き出して考えてみました。
これはシングル動作のカソード・フォロアーであり、
入力はグリッドと負荷(出力トランス)の中点(アース)に
入力されます、したがって自己帰還は1/2となります。
注目すべき点は、電源が完全なフローティング状態であり、出力管と電源は独立した直列の関係にあることです。
出力管の動作はその電流変化は、モロに電源に影響を与えます、そこにはDEPP(標準のプッシュプル)の様な音声信号の打消しはありません、したがって電源部が有限の容量である以上、全ての影響を受けるコトとなります。
同じシングル動作を行って電源と直列の関係のモノを上げて見ますと、まず、標準のシングルアンプです、300Bや845等が多様されるシングルアンプのコトです、この場合は大抵の場合動作はA1級であり、ゼロ信号時と最大出力時の電流差は差ほど大きくありません、電源の−極は接地されており、シングルアンプではありますがサークルトロン程の電源への影響は比較的少ないものです。
シングルエンドで電源が直列の関係といえば、OTLアンプの代表でもあるSEPPがあります、通常の場合電源は+/−に設定され、その中点接地されております、電源に対する動作条件は似た様なものでありますが、ノイズに関しては電源が接地されている分サークルトロンより有利であります、負荷との条件は並列接続で1/4と、同じであります、ただ、OTLアンプは出力トランスが無い分、条件的に多量の負帰還が可能となり諸特性は好結果が得られ易いものです。
以上を考慮するとサイクルトロン方式は、低負荷大電流(SEPPと同類)によるシングルエンドの回路で、電源は二組のフローティング方式を必要とします、この必要性というのが・・・、果たしてこの回路自身存在する必要性があるのか疑問であります。
(二つの個別フローティング(接地より宙に浮いた)電源は常に外乱に弱く微弱なノイズ成分は全て出力に現れます。
アンプの回路方式も色々ありますが、接地(アース)と電源は大抵基準となるのが常識とされております、ところがこのサークルトロンは
電源が宙に浮いております、更にアンプと電源は直列、真に奇妙としか言えません、果たしてメリットは在るのでしょうか?
その他にも色々特殊な特徴が存在いたしますが、詳細は「ラジオ技術」藤井氏の記事を参照下さい。)