負帰還とスタガー比

負帰還とスタガー比の関係

それは・・・

 負帰還量とスタガー比の関係は比例しております、
負帰還量が多い程、スタガー比も十分に確保しなくてはなりません。



悪いポールの設定

 それは・・・・

 最も悪い例が、スタガー比=0 の場合です。
 要するに、同じ値の時定数が二つ存在した場合です、この場合、周波数特性と位相は加算されます。



     周波数特性は、oct/-12dB、位相は-180°

 この状態で負帰還ループ内に存在すると負帰還は10dBあたりから好ましい現象が現れます、
負帰還を増すに連れピークは大きくなって、更に深く掛けますと簡単に発振に至ります。

     それでも音は出るのです。




高負帰還どころではない

 それは・・・・
 この状態では、高負帰還は到底不可能であります。
 いわゆる、出来損じの負帰還アンプと言えるでしょう。



(当用漢字ではないなあ〜、 一番最初のお勉強が抜けている?)



マッキントッシュの匠な処置

マッキントッシュの出力回路

 それは・・・  問題点は負帰還領域の外側に設定

 マッキントッシュの出力回路も二つのポールが存在しております、
したがって、そのまま負帰還ループ内での高負帰還は不可能なのです、
ところがマッキントッシュのアンプには高負帰還が施されております。

 手法は出力トランスを独自の構造で高いカットオフ周波数を実現し、第二ポールのポジションに設定、
したがって、周波数の低い第一ポールはアンプ部となっており、スタガー比を確保しております。


  第一ポールは出力インピーダンスから、10KHz強と推察されます。
 (出力インピーダンスは、0.1Ω以下、強度の負帰還を施しております)


 マッキントッシュの手法、
 これは、高速・高負帰還とまではまいりませんが、快速・高帰還なら可能です、
この時代としては、先進的な手法であり、音質、物理特性、共に両立を実現しております。





      2021


        JAN