ウイリアムソン外伝1

負帰還パワー・アンプの古典 ウイリアムソン

 ウィリアムソン・アンプは1947年発表されたアンプであり、初めて全段に渡り20dBものを負帰還を施したもので、アンプの性能を画期的に向上させてものであります。

 1947年発表の回路はA図の通りであり、このままでは間違い無く発振にいたります、当時のウィリアムソン・アンプはまともには動作しないのが常でありました、まだ負帰還に対する認識が未熟であり、技術誌等も誌面をにぎあわせておりました。



 1949年、ウィリアムソンはこのアンプの欠点を考慮したものが発表されます、(B図)
ウィリアムソンの出現により、アンプの負帰還は当時としては最先端な理論であり、技術誌には周波数特性と位相の関係、ボーデ線図、ナイキスト線図、等、到底理解し難く、当時としては未来技術の真髄の様に崇め立てておりました、この頃東京電機大学の北野進氏(現代エヌエフ回路設計ブロックの創始者)や武末数馬氏の著書はまことに難解でありました。



 当時のウィリアムソンは負帰還を前提としたアンプとしては、大きな欠点を幾つも抱えておりました。
 それでも20dBの負帰還は、アンプとしては全く新しい極地であった事は間違い御座いません、真空管アンプはウィリアムソンの出現以降、その欠点を克服したスタイルとなり真空管アンプは黄金期を迎えます、やがて増幅素子は真空管より半導体に主役の座が推移してゆきます。

 この時代、ウィリアムソンで負帰還という難解な扉を開け、測定器もロクに無い環境で高負帰還アンプの製作に挑む、という事は無謀と言う他ありません、電卓が一般家庭に普及したのが1970年に入ってからですから、対数計算等一つ取っても現在は考えられない苦労を伴います。

 しかし、北野進氏や武末数馬氏の著書から、負帰還というものが完璧に理解出来ないものの、その骨格や性質の知識は後々大きな土台となったのは事実です、周波数特性で位相特性を想像する方法はこの頃身に着きました、近年になって思う事は、最近の真空管アンプ製作の実情を鑑みると、「良い時期に真空管アンプの製作を始めた」とつくずく思うのであります。



ウイリアムソン外伝2


高速、高負帰還、知られていない重要部分

解説 1(未記入)時代の流れの中で忘れ去られたウイリアムソン

高速、高帰還、第一段階

解説 3(未記入)重要な捨て駒、P-K分割位相反転

解説 4(未記入)トロイダル型、出力トランス

更なる発展




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