時間の振るいにかけても色あせない、高音質と優れたデーターに裏着けされた、歴史上稀なる名器と言えます
ウィリアムソンアンプが世に出たのが1949年、その10年後、1959年にマランツ#7が発表されました、このマランツ#7は当時としては画期的なプリアンプであり、そのデーダーに裏打ちされた高性能、その性能に見合う高音質はまさに比類の無い存在でありました。
現在に至ってもその名声は揺るぎの無い存在を保っており、中古品であっても愛好家の間では法外な値で取引されております、その大きな理由は、その音質がいわゆる固有のキャラクターや美音系の様な安っぽい存在ではなく、本物の匂いが感じられるところでしょう。
現在では、当時生産されたマランツ#7も経年変化による初期性能を維持出来ている物は少ないと思われます、したがって本来の音質というのは解らない状態であると思われます、
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マランツ#7 製作、と申しましても
何を・・・、 音?、諸特性?、 当然ですが、 抽象的ですが「センス」の良さ、ですか! 幾ら勉強してもセンスだけは?
不細工な機械からは良い音は出て来ません、それは良い音の判断基準にも必ず Sense が必要だからです。
Sense
データーと音の関係
さて、マランツ#7の製作と言っても(EQ(イコライザー))のみであります、LPレコードを愛用している方のみ必要とするものです、
時代はデジタルの時代です、果たして需要があるか?、実は根強い愛好家は確実に存在いたします、私の周りのも頑固な爺が幾人か静かに余生を楽しんでおります。
マランツ#7 EQ完成時はEMT930との試聴結果を披露します。
(EMT930 同級生所有 素晴らしい この風格あるルックス、
見た目は音質を裏切りません、SN比も・・・
欲しいけれどお金も無いし寿命も足りません、もういいです。)
【 2016/OCT 記載 】
体調も芳しくありません、余分な体力も残ってはおりません、
マランツ#7、イコライザー製作意欲の原因は、
最後はLPレコードを・・・・ ですか。
マランツ#7のイコライザー、このアンプの再現には、回路図、シュミレーション、等のみでは不可能です、
完全な実体配線図、回路図には現れない処理が必要で、アマチュアが再現するには至難の苦労覚悟せねばなりません。
ワイヤリング等の極小容量の違いで、ポールの配置が異なり、結果最終音質大きな差が生じます、そのようにデリケートである関係上、
製造ロットにより音質が変わる? 等の神話が生まれるのも、このマランツ#7の特徴であります。
【 イコライザー部分の製作記事 】
製作にあたり詳細な実体配線図が付帯されていました、
高負帰還、高域ポールの設定、精密な設計です。
このイコライザーは相当量製作されて模様です、
多分半数位は設計通りの高性能を発揮されました、
「オリジナル、マランツ#7より素晴らしい」
との感激の報告も見受けられます。
長年の劣化した骨董品とでは、差が出るのは当然です。
しかし、一部の方は目標を達せられませんでした、
理由は、自分の考えを採用し、説明書に背いたからです、
相当のベテランであっても、妙に変更してしまうものです、
生半可な知識は邪魔であり、全くの素人の方が素直です。
真空管の電極容量まで考慮してあります、したがって
回路図では表現される事がないワイヤリング枝ぶり、
極微量の分布容量の変化までもが音質に影響されます、
マランツ#7の再現製作が極めて困難、伝説発祥の所以です。
例(負帰還 電圧増幅 (1.5pFの変化))
マランツ#7、そのイコライザー、異例の高性能に出会ったのは1970年台後半でありました。
その恐ろしいまでの写実的表現を実感した身には、
「もうアンプ造りは止めよう、到底適わない」っと思わせる程、完璧に心底打ちのめされたのです。
当時、真空管アンプの製作を志し、ある程度の作品も設計製作できる様になった頃であります、
しかしながら、マランツ#7を前にして、このまま惨敗を認めるのは真に悔しい、せめてその真髄の理解だけでも、っと思いました。
以後私は無謀にも、この高性能な音質を自分のものにするため、長い旅路の入り口に立ったのです。
物置を・・・・「あった」
マグネフロート、DENON、
マグネフォロート、見事なスピンドルシャフトは健在です、
埃まみれのDENON、綺麗に清掃して復帰活躍です。
同時代のマランツであっても、個人的には #2 #9 等は、 思想的かつ音質共に「平凡」と、までの評価であります、
この際、世評は著名であっても、実質は骨董品でしか無く、とても#7と同じ思想から生まれたとは思われません。
したがって、マランツ#7の存在は突然変異としか考えられない。